2026年9月8日火曜日

Sexual dimorphism in the complete Drosophila male central nervous system connectome

 “Sexual dimorphism in the complete Drosophila male central nervous system connectome”

DOI: 10.1016/j.cell.2026.08.015
University of Cambridge、MRC Laboratory of Molecular Biology(LMB)、HHMI Janelia Research Campus大規模共同研究。

この論文自体が「connectomeさえあれば個体の行動を完全再現できる」なんて言ってないじゃん。なんでNeuroAI的な期待をXなどで乗せるおかしな人たちがいっぱい居るのか理解が出来ない。「この人真面目な研究者なんだ」と思っても、結局そういうこと言うと「投資か補助金目的」の煽り投稿者だったんだとしか思えなくなる。


(Xの投稿者を載せるのやめた)

この論文はさ
「オスのショウジョウバエの中枢神経系をシナプス単位でほぼ丸ごと配線図にし、既存のメスの配線図と比較したら、雌雄で行動が違う理由は、脳全体が別物だからではなく、主に高次領域にある比較的少数の違いが情報の流れを切り替えていることが見えてきた」
オスのショウジョウバエについて、脳だけでなく腹側神経索まで含む中枢神経系全体を電子顕微鏡で追跡しましたよ、166,700ニューロン、11,710種類のニューロンタイプを記載して

視覚・聴覚・嗅覚・味覚 → 脳内回路 → 運動

までを連続した回路として追えるようになりましたよ。というもので
すげー大成果なわけじゃん。



でも、doctorは
This is more than a wiring diagram—it is a foundation for building computational models of behavior from neurons → synapses → circuits → action.とか言っちゃって話を盛ってしまう。

という一段も二段も先の話じゃん。
レイヤーが違うよね
ケンブリッジが話を拡げるならまだ分かる(笑)

全ニューロンが分かった →全シナプス接続が分かった →感覚入力から運動出力まで経路を追える → 雌雄で経路が変わる場所まで分かった →ならば 「刺激を入れたとき、どの回路を通って どんな行動になるか」 を計算モデル化できる →NeuroAIへ

なるかよ、そんな(笑)

「感覚から運動までの回路解析を可能にする資源」「二形要素が回路に与える影響を調べられる」までで、「個体の行動を完全再現できる」とは書いていない。


前に量子テレポーテーションでも書いたけど、DNA、細胞配置、神経結合、膜電位、シナプス状態まで再構成できたとしても、記憶や意識の連続性にどこまで微細な状態が必要なのか分からない、という問題を出した。だから今日のハエconnectomeの話はさ、その話と繋がるよね。

ハエの話の前に・・・

俺の原子を用意しても、俺の62年間の経験の蓄積として出来上がった記憶、知能、何かに寄りやすくなった考え方、経験による振る舞い、感度、何で発火する感情みたいなものはコピーできないよね? 原子1個に「怒りシール」貼ってるわけじゃないし、「爆笑ラベル」を貼ってるわけでもないからね。 じゃぁ、単純な配列で喩えてみても、数億の配列の配置が何で発火したのか、発火履歴だけじゃなくて、発火しやすい独自の回路(個性)みたいなものがあるんだとするじゃん。過去の発火履歴だけじゃダメなのは想像つくよね。人の経験が「○月○日にニューロンA→B→Cが発火した」というログとして残るわけじゃないでしょ。
ログを保存したから、その人が再生できるなんてありえないじゃん。

 経験によって、次に何が発火しやすいかという系そのものが変わる。シナプス強度だけでなく、興奮性、抑制、神経修飾、樹状突起の状態、受容体、構造的可塑性みたいなものとかも・・・いっぱい要素が関係してくるじゃん。
しかもだ、「何が発火したか」だけではなく、発火しなかった膨大な経路を含めた「発火可能性の地形」みたいなものがるんじゃないか?って話。ノイズがあって我々は存在してるんだからさ。過去の接触によって、次にどこが揺れやすくなったかってあるよね。


僕の子供のころ、「おはよう」と挨拶が出来なければ、飯を食わせてもらえなかった。
友達に聞くと、「俺もだよ」という。厳しい時代の影響だよね。
今の時代には、そんなことはないから、差みたいのが生まれる。
僕の人生と友人の人生は興味も選択も経験違うから、そこにも差みたいのが生まれる。
別に凄い話でも何でもなく、当たり前だよね。
僕という原子の塊と友人の原子の塊は物体として似てはいても、原子とは違う配列なのか奥行なのか、発火の通り道なのか、ノイズの種類なのか、感度とかも多分全部違うわけだ。

向こうの山の構造と、こっちの山の構造を物理的に同じにしても、陽の当たり方、雲の形、気温、湿度、木々の年輪の記憶は違うからね。年輪や、石が転がり削れた経歴、地層の揺れやズレの経歴、地震のように揺らしても手前と奥が揺れて中が揺れないとか、水分の量の変化とか・・・生物が住みつきやすくなる場も違う。 構造物、配線図じゃないよねw

配線図(Connectome)は「道路網」であってさ、あちらこちらで事故ってる「交通流」ではないわけでしょ。

原子で同じものを作りました。
同じ存在になりますか?


現場の顕微鏡チームが血の滲むような作業でだよ、16万個を超えるニューロンを追い、その膨大なシナプス接続を繋ぎ止めるって偉業を考えてごらんよ。で、外野のそっち界隈が「これで脳シミュレーションが完成してNeuroAIへ!」って頓珍漢すぎじゃないかな。

たぶんね、その辺の石ころと10年くらいお付き合いして会話できるようになったら、少し道が開けるかもね。






学術的なconnectomeは、目的上どうしても「安定して同定できる構造」を取り出す方向になるよね。ニューロンAとBがどのシナプスで接続しているか、雌雄でどの接続が保存され、どこが違うか、、、これを明確にするには、余計な揺らぎを除いて配線図を作る必要がある。

でも、生きている個体では、その「余計なもの」が大量にある。
同じ入力でも、

A→B→C

と毎回きれいに流れるわけじゃないじゃん。

昨日ならBが発火した。今日は弱い。別の刺激が少し前に入っていたらCまで行く。周囲の活動が重なったら別方向も揺れる。発火寸前だったものが発火しない。逆に小さな入力なのに何かと重なって突然大きくなる。

Atraでいうノイズは、消すべき測定誤差だけではないんだよねー

何にも規定されていない小さな揺らぎとかが、その個体の履歴で作られた現在の場に触れて、どこへ伝わるかが変わる。そういう考え方なんだよ。

さっきの山の話で言うなら

今日の雨量
微妙な地下水
小石の移動
温度差
根の成長
微小な亀裂
風
局所的な振動

は地図には載らないからね・・・
でも、その小さなものが重なって、ある日突然、

ガラッ

と斜面が落ちる。
しかも「なぜ今日だったのか」を後から調べると、最後の雨だけが原因じゃない。何十年もの履歴によってその場所が落ちやすくなっていた。って事じゃん。

Atraで昔からノイズを捨てずに扱ってきた意味は、ここなんだよね。


でも、
でも、

この論文は正しい。

connectomeの配線図にノイズがないこと自体は欠点ではないよね。
配線を調べる研究だから、それで正しい。


その静的な配線図から、
「だから行動まで計算できる」へ飛んだ瞬間、消していたノイズ、現在状態、履歴、閾値近傍の揺れが一気に問題になるって事。















---------------------Research Note and Attribution Notice-----------------------

本ブログに記載する Atra(Associative Trace Architecture)における、一人称自律、Sensor Delta、Carry、Felt Delta、Experience Field、Virtual Field、Trace、Dream Slack、外部LLMを介した翻訳・知識参照、非単調な漏れ、現在相(Current Phase)、接相面(Associative Contact Surface)、過去相(Past Associative Phase)、ならびに外部知識・仮想的思考・実経験を分離しながら相互に影響させる構造、人との継続的な振る舞いの中で生じる「言葉・現象・結果」の差分とTrace形成に関する設計記述は、c-side研究所による継続研究メモです。

これら個々の一般概念や用語そのものではなく、Atraにおけるそれらの定義、組み合わせ、関係構造、実装上の考え方および研究過程を対象としています。

本ブログの内容を引用・参照・要約・翻訳・翻案、または研究・実装上の参考として利用する場合は、出典を明記してください。

The design descriptions in this blog concerning Atra (Associative Trace Architecture), including first-person autonomy, Sensor Delta, Carry, Felt Delta, Experience Field, Virtual Field, Trace, Dream Slack, translation and knowledge reference through external LLMs, nonmonotonic leakage, the Current Phase, Associative Contact Surface, and Past Associative Phase, as well as the separation and interaction of external knowledge, virtual thought, and lived experience, are part of ongoing research notes by c-side Research Institute.

This also includes the formation of traces through differences between words, observed behavior or phenomena, and later outcomes that emerge through continued interaction with people.

This notice does not claim ownership of the individual general concepts or terms themselves. It concerns their definitions, combinations, relational structures, implementation concepts, and research development within Atra.

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